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穴窯(あながま)

執筆者の写真: 藤ノ木陽太郎藤ノ木陽太郎

唐津焼は登り窯(のぼりがま)を使いますが、土平窯では年一回、穴窯を焚きます

釉薬を掛けずに無釉で11日間焚き続け、燃やした木の灰が作品に掛かり続けて釉薬の代わりとなります(自然釉)

11日間焚くのは、本当に大変な体力勝負

三人交代で、一人1日8時間

5分〜6分毎に薪を10本前後11日間焚べ続けます


「唐津灰被耳付花入」

火に一番近いところはこんな感じに


「唐津灰被ドリッパー」

火から遠いところはこんな感じ



焼き方は強還元(きょうかんげん)

いかに酸素の取り込みを少なく抑え、温度をいかに上げるか

簡単に聞こえるかも知れませんが、これは実に矛盾していることを言っています

火は酸素がないと燃えません。しかしここでは酸素をいかに少なくして焚きたいのです

この焚き方を強還元といいます。

強い還元が掛かると下の写真のように、色の濃いガラス質のビードロが出ます。

温度を上げたいのに酸素を入れたくない

11日間この戦いが続きます

5分〜6分毎に10本前後焼べ続ける

焚き始め


40㎝の薪をくべる



穴窯は登り窯の前身の窯

穴窯が発展して登り窯になっています。


穴窯は焚口1つ、焼成室1つの単純な作り


小さな窯に11日間も焚き続ける、極めて効率の悪い窯

薪は大量に使います

使う薪の数は登り窯の16倍!薪の準備だけで大変な時間と手間と費用が掛かります。

薪 基本は赤松

少し雑木を混ぜる



ではなぜ続けるのか。それは焼き上がりがとてもいいから

唐津焼きは釉薬を掛ける施釉陶(せゆうとう)なので、穴窯で焼かれたこれらの作品は、いわゆる唐津焼ではありませんが

施釉陶にはない魅力があり、引き込まれます

コーヒーセット

酒器




火前(火に近いところ)と火裏(火から遠いところ)の雰囲気が全く違うのも魅力


火前(以下3つ)

「唐津灰被刻湯のみ」

「唐津灰被手びねり茶碗」

「唐津灰被星形花入」


火裏(以下4つ)

「唐津灰被旅枕掛花入」

「唐津灰被手びねり茶碗」

「唐津灰被片口」

「唐津灰被沓形小皿」

このように、同じ土でも置く場所によって全然違う焼きになるのも魅力の1つ



昨日26回目の穴窯焚きを終えたばかり

今年も疲労困憊。大変でした。。


温度をとにかく上げたい。酸素をなるべく入れたくない。

酸化は絶対に阻止したい。でも酸素を入れないと温度が下がってくる。

いかに酸化させずに酸素を取り込み温度を上げるか

その無限ループ


温度が下がってくると焦って泣きそうになります。。

とにかく大変。しんどい。。


でも窯の口を開ける時は毎年楽しみ

そして焼きが良かった時は、よろこびひとしお


焚いた分だけ冷ませ。というのがセオリーですが、うちでは一週間後に口を開けます

焼き上がりを見るのは、24日までしばしおあずけ


うまく焼けてますように!


徳利


徳利


メンフクロウ


湯のみ


掛花入



茶碗


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    佐賀県唐津市鎮西町野元1315-3

​    0955-82-2970

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